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家庭菜園

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【実践編】月毎の栽培ポイント


育てやすい冬の青菜の主役 小松菜

 小松菜は在来のカブから分化した古い歴史を持つツケナ類の代表格。江戸時代に、東京都江戸川区小松川周辺の特産であったことから、地名にちなんで小松菜と名付けられました。
 冬の青菜の少ない時期に多く出回り、古来関東では正月のお雑煮には欠かせない一品として重用されてきました。
 寒さに強いだけでなく、暑さにもよく耐え、強健で、連作障害も出にくく育てやすい野菜。家庭菜園にはぜひ取り入れたいもの。入門野菜としてもお薦めの種類です。
 葉身の葉形が長形のものから丸形まで、多くの品種がありますが、最近多いのは丸形で葉に厚味があり、緑色の濃いものです。葉柄が太く肉厚のものの中にはチンゲンサイの形質を取り入れた品種もあります。
 連作の害が特に著しいのはエンドウ、ソラマメ、サトイモなどです。また、ナス科、ウリ科、アブラナ科野菜も共通の病害虫を持っているので、障害が出やすいです。

●栽培のポイント
 季節ごとの生育日数(夏まき25~30日、春・秋まき40~45日、冬まき80~90日)をよくわきまえて、1回の作付けをあまり多くせずに、計画的に、回数を多くまくようにしましょう。関東南部以西の平たん地で、これから一番早くまけるのは2月上旬のトンネル栽培で、4~5月取りです。お正月に食べるには10月上旬まきとすることです。
 畑はあらかじめ石灰をまいてよく耕しておき、種まき前に完熟堆肥、油かす、化成肥料を元肥として全面散布し、20cm程度の深さによく耕し込んでおきます。
 種まきは通常、60cm間隔にくわ幅のまき溝を作って条まきにしますが、狭い畑を有効に利用するためには、幅80cmのベッドを設けて、横方向に15cm間隔のまき溝を付け、条まきにします。いずれの場合も5~6mmの厚さに覆土し、その上から溝まきの場合にはくわの背で、ベッドまきの場合は手のひらで、軽く押さえて填圧(てんあつ)しておきます。
 発芽ぞろいしたら、育つにつれて3回ほど間引きし、最終株間を7~8cmになるようにします。間引きの都度、溝の側方に化成肥料を追肥し、軽く中耕しながら土に混ぜ込みます。
 時期によってはコナガなどアブラナ科好みの害虫の被害を受けやすいので、べた掛け資材の被覆や薬剤散布などで防除することが大切です。
 草丈が20cmになった頃から、必要に応じて逐次収穫し、取りたての新鮮な味を楽しみましょう。
 収穫は株ごと抜き取るのが常法ですが、私の庭先菜園では、葉をかき取り、若芽を伸ばしてそれをまたかき取る方法で、6月まきを晩秋まで100日以上の収穫を楽しみました。大きい外葉を適宜残し、中ほどの良質な中形の葉を摘み取るのがこつです。

坂木技術士事務所●坂木利隆


<【JA広報通信】より引用>