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家庭菜園

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【実践編】月毎の栽培ポイント


実入りの良いトウモロコシ作り

 もぎたての新鮮な味と歯ざわりは格別で、トウモロコシはまさに夏の自家菜園の人気者です。子実のぎっしりついた、食べ応えのあるものが欲しいのですが、小さな菜園で育てると、どうしても皮をむいてみたら歯欠けでがっかりという場合が少なくありません。
 粒がぎっしりついた実入りの良いトウモロコシ作りには、雌穂に花粉が十分つくようにすることが大切です。丈が1m以上に伸びると、まず先端の雄穂が先に伸びだして開花し、その後数日たってから下方についている雌穂の絹糸が伸びて開花し、上からこぼれて飛散する花粉を受けて、受精が行われます。
 受粉を完全に行わせるためには、幼穂の発育中、極端な低温や乾燥を避け、健全な花に発達させることです。生育が遅れると雌花の開花が遅れ、受粉できる期間が短くなり不稔(ねん)が増えます。雌花の絹糸は10日以上も能力を保ちますが、花粉は1日で発芽能力を失ってしまうので、このような結果になりやすいのです。
 また、栽培する株が少なく孤立状態では、飛散する花粉粒が少ない上に、風で外の方へ飛んでしまうものが多く、不稔粒を生じやすいので、できるだけ2列以上に、少なくとも10株以上の多数株にして、群落を作るように栽植することが大切です。
 できるだけ葉の働き(光合成のもと)を良くするために、下の方から出た脇芽も欠かないで伸ばすこと、充実した穂を得るために一穂だけ残し、ほかの小さいものは途中で取り除くことも管理のポイントです。

坂木技術士事務所●坂木利隆


<【JA広報通信】より引用>