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【実践編】月毎の栽培ポイント


連作に耐える接ぎ木苗の手配は早めに

 ナス・トマト・キュウリ・スイカなどの果菜類は、根が土壌病害虫に対して弱く、一度栽培した畑では3~4年間同じものを作らないのが原則です。そのため、狭い家庭菜園などではローテーションがすぐに行き詰まってしまいます。
 こんなときの対策としては、耐病虫性の高い品種に接ぎ木した苗を用いるのが、もっとも確実です。日本の農家ではすでに100年も前から実用に供していましたが、近年は耐病性の台木育種や接ぎ木方法の簡易化が図られて利用が増え、欧米でも臭化メチル消毒の代替技術として普及が進んできたようです。
 苗は、シーズンになるとJAの店舗などに並びますが、心配なら今から予約発注しておくのがよいでしょう。小さなセルトレイで接ぎ木した苗は、買い求めてから育苗用土を入れた3~4号鉢に鉢上げし、成苗になるまで再育苗します。専門の農家が大苗に育てたものなら一番安心です。
 育苗中や定植後に台木の芽が伸びてくることがありますから、入念にかき取ります。よく、ナスに赤い果実がついたとか、ピンクのトマトに赤い果実がなったというのは、多くの場合、台木の芽が伸びたためです。勢いがよく、すぐに穂木と見分けがつかないぐらいに生長するので、早めに整枝しておきましょう。
 また、接ぎ木の接合部が地面に近過ぎると、接ぎ木部から穂木の根(自)が伸びだしてくることがあります。当然、この場合は台木の力が大きく落ちてしまうため、定植後でも気づいたら、株元付近の土を取り除いてやりましょう。

坂木技術士事務所●坂木利隆


<【JA広報通信】より引用>