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家庭菜園

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【実践編】月毎の栽培ポイント


ダイコン畑の準備と種まき

 ダイコンは本来、強健な性質であり、土壌への適応性は広く、吸肥力が強いので、かなりのやせ地でも育ちます。しかし、根の肥大は急速なので、根形の形成には土壌条件が大きくかかわってきます。そのため畑の準備や施肥には、ほかの野菜よりも注意が必要です。
 まず、畑には種まきの半月以上前に、全面に石灰をまき、30cmくらいの深さまでよく耕しておきます。このとき、発芽後すぐに伸びだす幼根が素直に成長するように、前作の残さや木片、石ころなどの障害物をよく取り除きましょう。
 元肥に未熟な堆肥(たいひ)を施すと、同じく根に障害が出やすくなります。野菜を作り続けている畑で、前作に堆肥が施してあれば、ダイコンには特に与えなくても大丈夫です。やせ地でどうしても与える必要があれば、全面に耕し込んだり、まき溝の下に入れたりせずに、種まきしたあとの株と株の間に、完熟堆肥と油かすを混ぜたものを半握りずつ置き、種と同時に覆土するのがよいでしょう。事前に鶏ふんも加えた、発酵済みのもの(ぼかし堆肥)なら申し分ありません。
 種まきは、図のようにくわで浅くまき溝を作り、その中央に、株間の間隔に瓶底などで○印をつけ、その小溝に4~5粒ずつまくのがよいでしょう。1ヵ所にまとめて種を落とすと、くっつき合って発芽するので、間引きのときに残す株の根を傷めてしまう恐れがあります。面倒なようでも、ダイコンの種子は大きいので作業は案外楽にできます。
 発芽したら、本葉が1枚開いたころに、1ヵ所3株を残してほかは間引きます(1回目の間引き)。このとき、図のように子葉(ふたば)の形に注意し、よく整った株を残すように心掛けましょう。形の悪いもの、異常に大きいもの、不ぞろいのものなどは、根が障害を受けている可能性があるからです。
 育つにつれてさらに間引き、本葉6~7枚ぐらいで一本立ちにします(図では3回目の間引き)。間引き時には追肥と土寄せも併せて行い、倒れないように支えます。

坂木技術士事務所●坂木利隆


<【JA広報通信】より引用>