トップページ

>

家庭菜園

>

【実践編】月毎の栽培ポイント


冬の青菜の主役・小松菜

 小松菜は在来のカブから分化した古い歴史を持つツケナの代表種です。小松菜という名は、江戸時代に現・東京都江戸川区の小松川周辺の特産であったことから呼ばれるようになったと伝えられています。
 市場に多く出回っているのは葉身が円形で縁の濃い丸葉系ですが、クキタチナ、大崎菜、武州寒菜、女池菜など、類似の在来品種は全国各地にあります。
 寒さ・暑さによく耐え、強健で育てやすく、連作障害も出にくく、作りやすい野菜です。カルシウムやビタミン類、鉄分などを多く含み、栄養価が高く、まさに冬の青菜の主役といってよいでしょう。
 正月に使うには、関東南部以西なら50~60日の生育期間を見て、10月末~11月初旬ごろに播種(はしゅ)すればよいでしょう。寒い地域では、ビニールトンネルやべた掛け資材を被覆して保温した方が品質の良いものが得られます。べた掛けは防虫効果も得られ、無農薬栽培も可能で、家庭菜園には特におすすめです。
 畑はあらかじめ石灰をまいて耕しておき、播種前に堆肥(たいひ)、油かす、化成肥料を元肥として全面に散布し、15cmぐらいの深さに耕し込んでおきます。
 通常、くわ幅のまき溝を作って条まきにしますが、狭い畑を有効に使うにはベッドを設けて細かい条まきにし、1cm厚さに覆土します。
 図のように発芽したら間引き、降雨のあとは中耕して土を軟らかくしておきます。生育半ばに1回、少量の追肥をする程度と管理は至って楽で、入門野菜としてもおすすめです。

坂木技術士事務所●坂木利隆


<【JA広報通信】より引用>