夏まきニンジンは、秋の適温条件(18~20℃)で育つため作りやすく、秋から冬にかけて長い期間収穫できますから、家庭菜園にぜひ取り入れたいものです。
ただ、種まきは7月上旬ごろ(暖地は7月中~下旬)が適期となるので、発芽と生育初期だけは難しい時期に当たります。従ってこの作型では、発芽をそろえて、初期の生育を順調に運ぶのが成功のポイントです。
前作は早めに片づけ、少なくとも20日ぐらい前までに、完熟した細かい堆肥と油かすなど有機質肥料を畑全面にばらまきます。
20cmぐらいの深さによく耕して分解させ、種まきに備えます。元肥はこれぐらいにして、施肥は育ち始めてからの追肥を主体にしましょう。
まき溝は鍬幅くらいに、底面が平らになるよう丁寧に作り、乾いていたらジョウロで溝全面にたっぷりかん水してから種をまきます。図のように溝からはみ出さないよう、水がしみて底面が平らに落ち着くようにします。はみ出すと周辺の土が濡れて、覆土するとき困ることになります。
覆土は種子がやっと見えなくなるぐらい、ごく薄くします。図のような手順で、まき終わったら溝面に細かな堆肥を覆い、乾燥と降雨による土のはね上げ、地面の固結を防ぎます。もちろん、発芽しても取り除く必要はありません。
発芽後は、初期の育ちが緩やかで葉も小さいので、除草は入念に行いましょう。
坂木技術士事務所●坂木利隆
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