10月に畑に植え付けた露地栽培のイチゴは、本格的な寒さにあって地上部の育ちはすっかり止まってしまい、身を縮めて休眠状態に入っています。この間は、土が極端に乾き過ぎたなら畝間にたっぷり水を与えます。
土が軽くて霜柱が立って株が浮き上がりそうなところでは、株間の地面に粗めの堆肥を薄く敷くなどしますが、特にそのような状態にならないようでしたら、そのままにしておいてかまいません。
厳寒期を過ぎ、イチゴの新葉が元気づき始めるころ(関東南部以西の平坦地なら2月上旬ごろの気温)、株元近くの枯れかかった葉を付け根からとり外して整理し、株間に化成肥料と油かすを1株当たり小さじ1杯くらいずつばらまき、竹べらなどで軽く土に混ぜ込みます。
イチゴは肥料あたりしやすいので株のすぐ近くにまいたり、また根を傷めたりしないよう注意して作業しましょう。
畝全面に黒色のポリエチレンフィルムを敷く(マルチするという)方法は、地温を高くし、草を抑え、雨による肥料の流亡や土の固結を防ぎます。また、果実に土がはね上がるのを防ぐなど、一石四、五鳥の効果がありますから、イチゴ栽培にはぜひとも取り入れたい手法です。これは下葉取り、追肥などをした後のこの時期に行います。
マルチの仕方は図の通りフィルムで畝全面を覆い、周囲に土をかけてフィルムをきっちり固定してから、イチゴが当たっているところにカミソリで切れ目を入れて、葉を上にのぞかせてやります。このとき、株元付近の草は入念に取り除いておきましょう。
坂木技術士事務所●坂木利隆
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