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家庭菜園

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【実践編】月毎の栽培ポイント


手軽で有効なキャップ利用のすすめ

 陽光が輝き始めるといよいよさまざまな果菜類の植え付け適期に入りますが、このころの天候は案外不順で、急に冷え込んだり、風が吹いたりしがちです。
 このような外界の急変から苗を守るのに有効な手だてはプラスチックフィルムを上手に使うことで、ハウスやトンネル栽培が広く普及していますが、家庭菜園では資材費がかさみ、換気操作も行き届かず、ごく一部でしか利用されていないのが実情です。
 そこで、誰にでもできる簡単なフィルムの利用法としておすすめしたいのが、図のようなホットキャップ(テント)やあんどん式の被覆法です。
 前者は竹や鋼線を曲げて、十文字になるよう、両端を10cm内外土にさし込み、中央部に苗を植えたら大きめに四角に切ったフィルムの周囲に土をかければでき上がりです。頂部に小穴を開けておき、苗が大きくなりまた気温が上昇するにつれ、切断部を大きくしてやります。
 もう一つのあんどん式は袋の底を切り取って円筒状にし、苗を植えた後、四方に支柱をさし込んで、ぴたりと広げるように固定します。頂部は初めから開いたままで、苗が一杯に伸びるまでそのままにしておきます。保温力はキャップの方が高いのですが、容積が大きくとれるので、苗が大きく育つまで被覆しておくことができるのが利点です。
 これらの方法は害虫(アブラムシ、ウリバエなど)の飛来を防ぐ効果も大きく、ウイルス病の被害をかなり軽減することができます。
 スイカ、カボチャ、メロンなど株間が広い野菜に最適ですが、少ない株数ならトマト、ナス、ピーマンなどにも十分利用できます。

坂木技術士事務所●坂木利隆


<【JA広報通信】より引用>