ニラは多年草なので、一度植えておけば何年でも同じ株から葉が伸び、1年に何回も刈り取りできるので、家庭菜園に取り入れておけば、大変重宝する野菜です。
しかし、いくら強いからといって2年以上も穫り続けると、株は密生の状態となり、幅広で厚みのある葉が収穫できなくなり、品質、収量は著しく低下してしまいます。そうなる前に、早めに株分け更新するのが得策でしょう。
株分けするのに一番よい時期は、葉が枯れ、根株が休眠状態に入っている冬の間です。この頃には、根株に栄養が十分に蓄えられているので、断根、分割という荒療治をしても傷みが少なく、仕事もしやすいのです。
方法は簡単。まず、地上に残っている枯れかけている葉を、地上4~5cmのところできれいに刈り取り、株の周りの大きく鍬やスコップを打ち込んで、根株を土から掘り上げます。
根は強大なので、かなり力のいる仕事です。掘ったら、土をはたき落とし、手で力を入れて株を大割りし、さらに小割りし、2~3株ずつ分割します。これを2~3個まとめて、左図のようにあらかじめ元肥を施しておいた植え溝に、20~25cmぐらいの株間になるように植え付けます。
植え溝は、8~10cmぐらいのやや深めに堀り、寒気と乾燥から守るようにしますが、覆土は株の上部が少し出るぐらいにしておき、やがて新葉が伸びだしてきたら、葉先を埋めない程度に2回ほど覆土を増して、溝が埋まるようにします。
元肥に堆肥や油粕、緩効性の化学肥料などを与えておくと、春には見違えるほどの良質なニラが収穫できるようになるでしょう。
坂木技術士事務所●坂木利隆
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