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栽培容器
市販のプランター、プラスチックの植木鉢を利用すると手軽です。大小いろいろあります。プランターは長さ50cm、幅20cm、深さ15cmのものが一般的ですが、最近は大形で深さもかなりあるものも出回っています。大きく深いものほど作りやすいが、どんな容器でもその大きさに応じた野菜はとれるものです。
植木鉢は口径3cmで1号、6号なら18cm、10号で30cmの口径があります。イチゴの栽培には5号鉢か6号鉢、ナスやブロッコリーなど大形野菜は、少なくとも10号以上の鉢を利用したいもの。
栽培容器は魚や果物を入れる発泡スチロールのとろ箱やプラスチックの漬け物樽など、廃品を利用することもできます。どちらもスーパーや魚屋などで分けてもらえます。
とろ箱には、いろいろな大きさや深さのものがあります。34cm×54cm、深さ15cmから21cmのものが標準サイズですが、さらに大形で深いものもあります。このホームページの箱栽培の作付けは、このサイズを基準にして記述しています。とろ箱は軽くて軟らかなのに、かなり丈夫で、足でけ飛ばさないかぎり十数年の使用に耐えます。しかし、フキやミョウガは根茎の伸長力がすさまじく、とろ箱を突き破ります。こういう野菜の栽培にはプラスチックの漬け物樽を使います。
廃品利用のとろ箱や漬け物樽のばあいは、土を入れる前に、排水用の穴をあけなければなりません。とろ箱はカッターナイフで、底面の4隅に2cmの穴を、漬け物樽は、太い釘と金槌で底に十数か所の穴をあけます。
とろ箱はカッターナイフで
排水用の穴をあける
漬け物樽は太い釘と金槌で
穴をあける
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土づくり
箱づくりの用土は排水性があり、しかも水もちがよく、養分を保持するものが望ましい。それには、落ち葉や草などの有機物をフルに利用することです。
まず栽培容器に落ち葉(または刈り草)をぎゅうぎゅうに詰めます。そのさい、基肥として油粕を加えてよく合わせます。そして、その上に土を3〜4cmばかりかぶせ、すぐさま土の部分に種をまいて、野菜作りを始めるのです。発芽すると、野菜の根は土の層を突き抜け、落ち葉の中に広く伸びていきます。
一方、箱の中ではミミズ、ハサミムシ、ムカデなどの虫やバクテリアの活動が活発になって、落ち葉の分解は進んでいきます。こうして1年もすると、落ち葉(草)はかなり分解され、無機化が進みます。かさが減った分、次の作付けのさい、また落ち葉(草、野菜くず)を追加的に埋め込めば、箱の中はいつも豊かな腐葉土で満たされていることになります。野菜を作りながら、土づくり、堆肥づくりを同時におこなうわけです。野菜のできは初めの1、2年はあまりよくありませんが、落ち葉の分解が進むにつれ、しだいに安定した生育ぶりを見せるようになります。数年もすると、あとは栽培する野菜くずや箱の中に生育する雑草を刈り取って、畑に戻す程度ですみます。箱の中の土は入れ替える必要はありません。
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肥料
落ち葉は分解されると、肥料としても効力を現すようになります。
野菜は窒素、リン酸、カリ、マグネシウムをはじめ、鉄、硫黄、マンガンなど、さまざまな養分を吸収して生長します。ふつう、窒素、リン酸、カリ以外の微量要素は、土の中に含まれている分で足りるとされますが、箱の中の小さな畑では、多少不足ぎみになることも考えられます。
それで必要な養分すべてを吸収して育った植物の遺体(落ち葉、草、野菜くず)を栽培用土として利用すれば、もっともバランスのよい施肥にもつながるのです。追肥としては、油粕を施します。
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水やり
大地の畑と違って、箱の中の土はとても乾きやすいので、水やりはたいせつな世話となります。水やりを忘れ、土が乾きすぎると野菜は弱ってしまって、虫がつきやすくなるだけではなく、その後の生長に大きくひびきます。とはいえ水やりは、毎日定期的におこなうのではなく、箱の中の土が乾くのを見て、たっぷりやるのがコツ。雨降りや雲天の日は、水やりの必要はありません。
セリ、ミツバ、サトイモ、フキ、ミョウガなど湿りけを好む野菜にはたっぷりと、サツマイモ、カボチャなど乾燥ぎみの土地でよく育つ野菜には控えめにあたえます。また、葉茎の生長期にはやや多めに、イモ類や根菜類の根の肥大期には、やや控えめにやるようにします。箱栽培では、土の水分を自由に調節できる利点を、大きく生かしたいものです。
水やりは、種まき後はじょうろで、発芽してある程度の大きさに生長したら、ホースかバケツでおこないます。
種まきの後はじょうろで
大きくなったらホースで
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病虫害
有機質に富み、多くのバクテリアや小動物の生命活動が盛んな母胎で栽培すれば、大半の野菜はなかなか病気にはならないもの。
キュウリは、梅雨の中ごろから梅雨明けにかけて、根元に近い古い葉に白い粉のようなカビがつきます。けれども、元葉は枯れても、生長する若い葉にはカビはつきませんから、株全体がそれでだめになることはまずありません。もともと古い葉は同化作用の役目を終えていますから、収量にあまりひびきません。
野菜づくりには虫はつきもの。しかし、野菜が元気に育っていれば、アブラムシやハダニなど、小さな虫は多少ついても、放っておいてもだいじょうぶです。ただし、水やりを忘れ、土が乾きすぎて野菜が弱ると、虫はたくさんつき、ダメージが大きくなります。
コマツナ、キャベツ、ダイコンなどのアブラナ科の野菜には、チョウや蛾、ハチが卵を産みつけにやってきます。コマツナ、山東菜などの菜っ葉類やカブ、ダイコンなどにつくナノクロムシ(カブラハバチの幼虫)、キャベツ類につくアオムシ(モンシロチョウの幼虫)、ヨトウムシ(ヨトウガの幼虫)など、大形の虫は、とくに株がまだ小さいうちは、葉を食べつくすおそれがあるので、見つけしだい手で取り除きます。
これらの虫たちも、季節が移るにつれ、変態して姿を消しますから、虫捕りはそういつまでも続くわけではありません。
ダイコン葉の上で丸く
なっているナノクロムシ
アオムシとモンシロチョウ
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混作
同じ作物を同じ土地で作りつづけると、しだいにできが悪くなり、病気にもかかりやすくなるのは、自然の復元力とといえましょう。もともと、自然は多様な生物に満たされ、複雑な組み合わせによって、安定していると考えられます。
そこで、1つの箱に2、3種類の野菜を同居させる混作を心がけましょう。野菜には、コマツナ、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、カブなどのアブラナ科、シュンギク、レタスなどのキク科、エギ、ワケギ、タマネギ、ニラなどのユリ科、キュウリ、カボチャなどのウリ科、トマト、ナス、ピーマンなどのナス科、エダマメ、ソラマメなどのマメ科など、いろいろな種類があります。これらの野菜を、なるべく異なる科のものからいくつか選んで組み合わせて栽培するわけです。
また、エダマメ、インゲンなどマメ科の植物は、根に根粒菌をつけ、窒素を固定して養分を自給するだけでなく、畑を豊かにしますので、できるだけ積極的に混作に組み入れるようにします。
← レタスとブロッコリー
の混植
レタスとワケギ
の混植 →
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苗づくり
箱づくりでも、栽培箱に直接種をまいて、そのまま育てていくものと、栽培箱やポリ鉢に種をまき、そこで苗を育ててから栽培箱に定植するほうが都合のよいものがあります。苗を作る野菜にはナス、トマト、ピーマン、キュウリ、トウモロコシなどの果菜類や、キャベツ類、レタス類、ネギ類などがあります。
少量栽培するばあいは、ポリ鉢(9〜12cm)に種をまき、苗を育て、栽培箱に定植しますが、たくさん作るときは、まず育苗箱(とろ箱)に種をまき、苗を育て、これをポリ鉢に移植してさらに育ててから栽培箱に定植します。
少量栽培の種まきは
ポリ鉢を利用
1本立ちにしたトマトの苗
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栽培箱に向く野菜
収穫物の大小を問わなければ、箱の中の小さな畑でも、ほとんどすべての野菜を育てることができます。とはいえ、スイカ、メロン、ゴボウ、ヤマイモなど作りにくい野菜もいくつかあります。
作りやすい野菜は、葉物ではコマツナやツケナ類、ブロッコリー、レタス類、ニラ、ネギ、ワケギなどのネギ類、それにパセリ、シソ、フキ、ミョウガなど、根菜ではカブ、ダイコン、三寸ニンジン、サツマイモ、実物野菜ではキュウリ、ピーマン、ニガウリ、トウモロコシ、ミニトマト、イチゴそれにエダマメ、インゲン、ソラマメなどのマメ類です。
また、面積的にかなり狭いので、あまりたくさん作らなくても足りるものが、栽培箱に向いています。
それには、ニラ、ネギ、ワケギなど刈り取り利用するもの、リーフレタス、タカナのように、外葉をかき取って収穫するもの、シソや秋作のシュンギクのように摘み取り利用するものなどがあります。
さらに、1株でたくさん実を着ける地ばいキュウリ、ミニトマト、ピーマン、オクラなどの夏野菜や、季節に何回か味わえば気がすむイチゴ、ソラマメ、エダマメ、トウモロコシなども、箱栽培向きの野菜といえるでしょう。
とろ箱で花と実を着けた
ナス
箱栽培でできた
トウモロコシ
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