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今年の稲作を振り返って


 今年の愛知県の作況指数は「やや不良」の98、尾張地域は「平年並み」の99と発表されました。管内の「あいちのかおり」の収量や品質の傾向を稲作農家のみなさんや農協担当者に聞いてみると、収量は平年並から平年よりやや少なめ、乳白米や斑点米の目立った被害はなく、品質は概ね1等、玄米の粒張りが良く、くず米は少ないという傾向のようです。

 この作柄の要因を田植え頃からの天候や水稲の生育を振り返りながら考えてみます。

1 田植え〜出穂期

 当地域の「あいちのかおり」の田植えから活着期に当たる5月下旬から6月上旬にかけては曇りや雨の日が多く、活着はやや遅れたと思われます。しかし、6月中旬以降は晴れて気温の高い日が続き、日照時間も多くなったため生育は次第に回復し、6月末の「あいちのかおり」の生育はほぼ平年並みだったと推察されます。

 しかし、7月は梅雨明けが遅れたこともあり、日照時間は平年の約6割、昨年の約4割と極端に少なくなりました。平均気温は、晴れた日が多かった7月第3半旬(11日から15日)は平年より高くなりましたが、その他の時期は平年並みか平年よりも低くなりました。

 このような7月の天候不順の影響から、「あいちのかおり」の出穂期は平年より3日から4日遅れました。これは水稲の生育が気温の影響を強く受けるためで、今年は7月下旬の低温の影響を受けたと考えられます。

 また、7月は水稲が出穂後に籾を登熟させるために必要な茎や葉を形成していく重要な時期にあたります。今年はこの時期に日照不足に遭遇したことで、しっかりとした稲株ができず、生育不良があったと考えられます。

2 出穂期〜成熟期

 「あいちのかおり」の出穂期から登熟期に当たる8月下旬から9月中旬にかけては晴れた日が続き、日照時間は平年よりかなり多くなりました。

 登熟期は葉でデンプンを作り、籾に蓄積する重要な時期です。今年はこの時期に晴れた日が続いたことで、デンプンの蓄積が順調に進み、玄米の粒張りが良く、くず米が少ない傾向になったものと考えられます。

 まとめると、7月は天候不順の影響で茎や葉の形成は不良だったものの、出穂期から登熟期の好天で玄米の粒張りが良く、平年並みから平年よりやや少なめの収量に落ち着いたものと考えられます。

3 病害虫の発生傾向

 今年の病害虫は、一部地域でフタオビコヤガ(イネアオムシ)の発生が目立ちましたが、他に目立った病害虫はありませんでした。県内では斑点米カメムシ類の発生が目立つ地域もありましたが、この地域では目立った被害はなかったようです。しかし、来年は傾向が一変する恐れもありますので、病害虫の発生動向に注意し、発生に応じた防除に努めてください。


尾張農林水産事務所農業改良普及課(農業普及指導センター)

 

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