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水稲の肥料と使い方について


■分施と全量基肥

 水稲の施肥法には、大きく分けて分施と全量基肥があります。
 分施は稲の生育に合わせたタイミングで速効性の肥料を与える、従来からの方法です。
 全量基肥は、1作に必要な肥料をすべて基肥で施用し、追肥は入れません。全量基肥の専用肥料である「ひとまきくん」は、尿素(窒素成分)を高分子樹脂でコーティングして、徐々に肥効が出るようになっているので、追肥の時期にも自動的に肥料が溶け出します。

■全量基肥のメリット

 全量基肥肥料の最大のメリットは、肥料散布作業の省力化です。
 また、水稲による利用効率が高いため、窒素の投入量を1割程度減らすことができ、水を汚しにくいことで、環境負荷が少ないと評価されています。

■分施と全量基肥の生育パターンの違い

 「ひとまきくん」では、分施に比べ、初期は葉色が薄く、茎数の増え方も緩やかです。窒素肥料の効き方を示す葉色の濃さは、表のようになります。
  分施
(基肥+穂肥)
全量基肥
(ひとまきくん)
初 期 生育とともに
濃くなる
分施より濃く
なるのが遅い
移植30日後 最も濃い 最も濃い
最高分げつ期
(中干し)
やや濃い 濃い
幼穂形成期
(穂肥前)
やや淡い やや濃い
出穂期 再び濃くなる やや淡い
成熟期 淡くなる 淡くなるが
分施より濃い

■年次変動への対応

 低温・高温による生育の進みや遅れによって、全量基肥肥料の効くタイミングが合わなくなるという心配は不要です。なぜかというと、温度が高ければ肥料も早めに溶け出し、低ければ遅めに溶け出し、これが稲の生育の進み具合とほぼ一致するように調整されているからです。
 また、肥料の効き方が緩やかなので、肥効に数日のズレがあっても影響が少ないのです。
 ただし、肥料の量については、控えめの施肥量を守る必要があります。気象条件の恵まれた年に、分施で穂肥を増量した人が多収の結果になる場合がありますが、全量基肥では基肥の時点で確実にそれを見越すのは不可能だからです。その代わり、控えめの施肥さえ心がけていれば、大きな失敗は少ないでしょう。

■その他の肥料

 側条施肥田植機を使用した側条施肥をする場合には、施肥効率が高いので、施肥窒素量を2〜3割減らします。これも流亡が少なく、環境に配慮した施肥法です。
 有機質肥料をお使いの場合は、資材によって肥料成分の有効化率が違うので注意が必要です。窒素含量がわかる場合には窒素量を計算し、化学肥料より2割増しの窒素量になる量を施肥します。


尾張農林水産事務所農業改良普及課(農業普及指導センター)

 

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